報告 2018.07.18
無料低額診療事業(以下、無低診)は、経済的な理由で医療機関にかかれない方の医療費(窓口一部負担金)を全額もしくは一部を免除する制度です。
大阪きづがわ医療福祉生活協同組合では、2012年の法人合併を力に、無低診の申請を行い、2013年7月より同事業を開始しました。2017年度末までに、延べ73世帯84名の方がこの制度の対象となり、約230万円の減免を行いました。
無低診は、単に医療費を免除するだけでなく、生活再建を患者さんと共に考え、共に行動に移す制度として運用しています。たとえば、西成民主診療所では無低診を通じて生活保護を受給された方が6名いらっしゃいます。高齢者虐待の実態がわかり、身体保護に繋がった事例もありました。国民健康保険料が高すぎて未納となり、手元に保険証がない方からの相談も増えています。相談者と一緒に納付相談に行き、保険証の交付を受け、治療を続けておられる方もいらっしゃいます。
生活困窮に陥った方は、人との繋がりが薄く、孤立しやすい傾向にあります。無低診を発信し続けなければ、必要な方には決して届きません。2018年度、総代会方針の実践として組合員のネットワークを通じて“地域の困った”を診療所に集めましょう。まずは、制度学習会を開きましょう。高齢者訪問を通じて、地域の実情を集めましょう。
無料低額診療事業とは?
無料低額診療事業とは、社会福祉法第二条第三項に基づいて、経済的理由によって必要な医療を受ける機会が制限されることのないよう、無料又は低額な料金で診療を行う事業です。
どんな人が利用できるの?
対象となる方は低所得者,要保護者,ホームレス,DV(家庭内暴力)被害者,人身取引被害者などの生計困難者です。一部負担金免除の基準として、全額免除は1ヶ月の収入が生活保護基準の概ね130%以下(一部免除は150%以下)と内規で定めています。
利用するには?申請に必要なものは?
この制度の利用を希望する時は、各診療所(歯科含む)へお申し出ください。お電話でも結構です。申請面談では源泉徴収票、課税証明書、給与明細書など収入のわかる資料を提出していただくことになりますが、まずは早めに申請をしてください。
対象となる医療費は?
申請した診療所での医療費に限り、自己負担額の全額又は一部が免除になります。
他の医療機関、院外処方箋による調剤薬局でのお支払い、介護費用については対象になりません。減免期間は最大3ヶ月を基準に運用しており、必要により適応期間を延長します。